その期間は、日が出ている時間は食事を取りません。
私は旅行ではないですが、これまでに仕事でなんどかラマダン期間中のマレーシアやインドネシアにいったことがあります。
今回はあくまで、私の経験からラマダン期間中の注意点を紹介させてもらいます。
最近はテロなどが発生していますが、そう言ったことには触れておりませんので、渡航に際してはご自身で情報収集に努めて、判断してください。
ラマダン中の旅行の注意点
日本人にはあまり馴染みのないラマダンですが、あまり考えずにマレーシアやインドネシアへの旅行を予約して、後々調べたらラマダン月だったと気づいて、どうしようかと悩んでいる方もいるかと思います。
そもそもラマダンとはなんでしょうか?まず初めにラマダンについて説明します。
ラマダンとは?
ラマダンはイスラム暦の9月に断食月のことを指しています。断食=ラマダンと思われがちですが、ラマダンは月のことで、断食はサウムと呼ばれている、ラマダンの義務のことです。
ラマダンの月に入ると日の出から日の入りまで断食する決まりがあります。
断食なので食べることはもちろん、飲むこともできません。(喉に何かを通す行為がダメみたいなので、場所によっては唾を飲み込むのもNGとか)
何かの拍子に間違って食べてしまったとかはOKで逆に、食べていなくても食べたいと思うことがNGなど精神的な部分が大きいようです。(細かい部分は国や地域によって異なると思います。)
何かの拍子に間違って食べてしまったとかはOKで逆に、食べていなくても食べたいと思うことがNGなど精神的な部分が大きいようです。(細かい部分は国や地域によって異なると思います。)
断食月は毎年変わるので、毎年チェックする必要があります。
しかし、一部の条件に当てはまる場合は、断食する必要がないことがあります。
ラマダンでも日中に食べていいのはどんな時?
私がイスラム教徒の方に聞いたラマダン期間中でも日中に食べていい場合を紹介します。おそらく国や人によっても基準が異なると思いますので参考程度にお考え下さい。
- 健康ではない場合(病気の場合など)
- 海外旅行中
- 女性の場合は生理中や妊娠中など
一時的な病気や旅行の場合は、レバラン終了後に同日数断食するか、代わりにボランティア活動などする必要があるとマレーシアの方に教えてもらいました。
というのも、例えば2日病気になって、みんなが断食やってないときに1人で断食するほうがきついよね?と聞いたら、代わりにボランティアするという選択肢もあると教えてもらいました。
というのも、例えば2日病気になって、みんなが断食やってないときに1人で断食するほうがきついよね?と聞いたら、代わりにボランティアするという選択肢もあると教えてもらいました。
ラマダンの時の注意点
以下は私の経験からの個人的な意見ですが、イスラム国家ではないイスラム圏(例えばマレーシアやインドネシア)の場合、イスラム教徒ではない外国人はそれほど過剰に気にする必要はないかと思います。
イスラム国家とはイスラームによって統治されている国のことで、私は行ったことがないのでそちらの事情は残念ながらわかりません。
例えば、マレーシアやインドネシアの場合はイスラム圏といってもイスラム教徒以外の人達も多く生活しています。
イスラム教の方は豚を食べませんが、最近マレーシアやインドネシアでも豚骨らーめんの人気が出て来ています。(ターゲットはイスラム教徒ではない人たちです。)
つまり、ラマダンといってもイスラム教徒ではない人達は普段通りの生活していますので、非イスラムの外国人に対する扱いもある程度は慣れていると思います。
そのため、全ての飲食店が日中営業していないというわけではありません。
そのため、全ての飲食店が日中営業していないというわけではありません。
しかし、そんな状況では最低限守るべきマナーは必要かと思います。
- イスラム教徒の方の前で極力飲食を控える
- 特にラマダン時期の後半は殺気立っているように感じることがあるので変に刺激しない
- 明らかに仕事の効率が落ちる(飲食店などやってないお店が増える)ことを理解しておく
イスラム教徒の方の前で極力飲食を控える
まず一点目ですが、マレーシアやインドネシアに打ち合わせに行くと普段はこれでもか!というほどの甘いお菓子を出してくれますが、この時期は控えめに「あなたは関係ないから食べてもいいのよ」とちょっとしたお菓子とお水を出してくれます。
さすがに打ち合わせ中には飲み食いせず、頂いて帰ってホテルで食べるようにしていました。
また、お昼をまたぐ場合はお昼ご飯をどうするか?という問題がありますが、私の場合はオフィス近くの空いている飲食店(マクドナルド)まで訪問先の方がわざわざ毎日送り届けてくれました。
ちなみに、店員さんはムスリムの方だったのでどう思っているんだろうと少し不思議な感覚になりました。(これは、とんこつラーメン屋さんの店員がムスリムの人であった場合も同じ感覚に陥ります)
特にラマダン時期の後半は殺気立っているように感じることがあるので変に刺激しない
二点目ですが、ラマダンの後半の方に行くと、断食の影響かイスラム教徒の方の目つきがかなり険しくなり、殺気立っているように感じることもあります。
身の危険を感じるようなことはありませんでしたが、やはり刺激するような行為は避けた方が無難です。
身の危険を感じるようなことはありませんでしたが、やはり刺激するような行為は避けた方が無難です。
明らかに仕事の効率が落ちることを理解しておく
三点目は、空腹に加えて、詳細は後述しますがラマダンの後には長期休暇があることもあり、仕事の効率が明らかに落ちていると感じることがあります。
朝も日の入り前にご飯を食べるのでかなり早起きしています。
そのため、出張中や仕事を依頼している場合は効率は落ちると考えて方が良いです。
また、営業していないレストランが増えるなど、当初の旅行計画通りにいかなくなる可能性はあると思います。(私は仕事で行くことが多いため、特に観光するわけではないのであまり不便を感じたことはありません、タクシーやUberは普通に捕まえられました。)
また、営業していないレストランが増えるなど、当初の旅行計画通りにいかなくなる可能性はあると思います。(私は仕事で行くことが多いため、特に観光するわけではないのであまり不便を感じたことはありません、タクシーやUberは普通に捕まえられました。)
ラマダンの後は?
ラマダン以上に日本人には馴染みがないですが、ラマダンの後にはレバランと呼ばれる断食明け大祭と言われる長期休暇があります。
いわゆる正月のようなもので、都会に住んでいる皆さんは田舎へ里帰りします。
この時ばかりはあの渋滞のひどいジャカルタ市内から一斉に車が消えますので、車がないジャカルタ市内という貴重な風景を見ることができます。
このレバラン休暇の期間は特に明確に決まっているわけではなく、レバランの日(断食明け)から、一週間後くらいから、皆さん徐々に仕事に戻ってきて二週間後にはほぼ通常業務に戻るそうです。
ラマダン中のディナー
現地の会社に出張で行くと、ラマダン中であっても一緒にディナーを食べる機会があります。
日中食べてませんので、皆さん夜ご飯の時間になるとかなりテンションが高くなってます。
そして、確か私が行ったときは19:20頃が日没だったのですが、みんなでレストランに18:30頃に行きました。レストランにつくと、まず各自好きなものをオーダーするんですが、食事開始時間頃のいい時間に持ってきてくれるのかと思いきや19:00頃にはテーブルに全ての食事が並んでました。。
まさにお預け状態で、皆さん唾をごくりと飲みながら会話を楽しんでいました。一番悲惨だったのが、かき氷を頼んだ愚か者がいて、食べ始める頃にはただの砂糖水になってました(笑)
この辺りはお店によって対応は変わるかと思いますが、全員に対してタイムリーに食事を提供できないと思いますので、どこも同じような対応になるのかと思います。
そして、一番最初に食べるのはデーツ(ナツメヤシ)と呼ばれる木ノ実です。甘いドライフルーツのようなもので、胃がびっくりしないようにデーツから食べ始めるみたいです。
イスラム教徒から日本人はどう見える?
私は学生の頃、イスラム圏の国(トルコ)で1ヶ月くらい過ごしたことがあります。その時に、現地で知り合ったイスラム教徒の女性の方といろんな話をする中で「日本人は仏教徒が多いが特に深く信仰はしていない人が多い」と話しました。
そうすると、かなり心配されて、熱心にイスラム教のススメを説いてくれました。わざわざ英語のコーランを探して買って来てくれました。
彼女が不思議がっていたのは「もしあなた自身の力でどうすることもできない問題が起こった時、あなたは誰に頼るの?」と言われました。
「私は自分が強くないから万が一の時に神様にお願いするためにイスラム教を信仰している」と言われました。
それまであまり深く考えたことがなかったですが、なかなか考えさせられる言葉でした。
ISISとイスラム国について
ついでに話す話題でもないですが、インドネシアの方が言っていた非常に印象的な言葉がありますので紹介します。
イスラム教徒のインドネシア人の方が日本でISISが「イスラム国」と呼ばれていることに憤慨していました。
イスラム国と言われるとあたかもイスラム教徒全てが悪いかのように捉えらるからです。
世界的にはISISで通っているのになぜか、日本だけは「イスラム国」で報道等がなされていて、誤解を受ける可能性があると危惧されていました。
確かに、そうですよね、自分が信じている宗教の名前が付いた国が「悪」として扱われるといい気はしないですよね。
確かに、そうですよね、自分が信じている宗教の名前が付いた国が「悪」として扱われるといい気はしないですよね。
その方曰く、某大手自動車メーカーの車種名とISISが被っているのでISISとは報道されないのではないかとのことでしたが、それはあくまで個人の推測かと思います。
まとめ
ラマダン期間中の旅行についてですが、一般的にはあえてラマダンやその後のレバラン時期にイスラム圏を旅行する必要はないかと思いますが、過剰に反応する必要もないかと思います。
既に旅行を決めてしまっている場合は、断食が理由で渡航を止める必要まではなく、ラマダンという習慣を理解して、少しの配慮ができれば大きな問題にならないかと思います。
一方で最近はテロなどがこのラマダン時期に行われると言った噂も流れてますので、そちらに対しては情報収集に努めてご自身で判断する必要があるかと思います。
私は宗教を語れるほどの知識はありませんが、これまでに経験した内容をもとにまとめさせてもらいました。
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