オルソケラトロジーは保険適用外で自由診療となるため、まだまだ高額です。
そこで、少しでも安価に始めるために徹底的に調べたのでオルソケラトロジーの費用や相場など、これからはじめようかと思っている方のためにまとめました。
価格といっても、初期費用に2年目以降のランニングコスト、またレンズ交換費用(レンズや病院によって価格は大きく異なる)なども関わってくるので、その辺りも詳細に紹介ます。
ナイトレンズ検討中の方必見!オルソケラトロジーの価格・相場を徹底解説!!
実際に調べてみて、選ぶ眼科やコンタクトレンズのメーカーによってはかなり価格のばらつきがあることがわかりました。医療行為のため、安いのがいいとは限りませんが、選択する上で、何の費用がどの程度必要かは正しく理解しておくことは大切だと思うので、まとめておきます。
オルソケラトロジーとは?
この記事を見にきている方は既に、オルソケラトロジーとは何かを理解してきているかとは思いますが、念の為、簡単に紹介します。
オルソケラトロジーは、特殊なデザインのコンタクトレンズを就寝中に装用することで、角膜の形状を変え、近視や乱視を矯正する視力回復治療法です。
この治療法により、翌朝レンズを外した後も一定時間、角膜の形状が矯正された状態を維持でき、日中は裸眼で過ごすことが可能になります。
ただし、この治療法は一時的なもので、継続的な視力矯正を維持するためには毎晩のレンズ装用が必要です。
オルソケラトロジーは保険適用外の自由診療
オルソケラトロジーには近視抑制効果もあると言われていて我が家でも目が悪くなり始めた子供に良いのでは?と思い始めました。
ただし、オルソケラトロジーは、日本では保険適用外のため、全額自己負担となります。
初回の治療費は一般的に約15万円~20万円程度(両眼・診察料込)となります。
ただし、オルソケラトロジーは医療費控除の対象となることがあります。具体的な費用や保険適用については、治療を受けるクリニックに直接ご確認ください。
オルソケラトロジーの費用・相場(まずはざっくり)
2024年時点で色々調べた結果、オルソケラトロジーの費用の相場ですがざっくりと下記の通りです。(費用は税込)
- 初期費用:初年度は16万円前後
- 定期検診費用:年間1.5万円〜2.2万円前後(3ヶ月に1回の検診費用)
- レンズ交換費用:2〜3年毎に両目で6.6万円〜8.8万円
上記が平均的な価格ですが、これより安くければ比較的良心的な価格と言えます。
レンズ費用は、メーカーによって異なる部分もあるため、その眼科がどのレンズを採用しているかも価格に影響があります。
他にも、サブスクで毎月1万円といった、サービスを提供している眼科も多いですが、トータル費用としては割高になることがほとんどでした。
オルソケラトロジーで必要な費用の内訳は?
では、費用の詳細を見ていく上で、オルソケラトロジーを始めるにあたってどういった費用が必要になるのかを紹介します。
①初期費用:適用検査や初回レンズ、一定期間の定期検査費用など
②定期検診費用:初期費用に含まれる検査期間終了後の定期検診費用(3ヶ月に1回)
③レンズ交換代:2〜3年に医師の指示に従いレンズを交換する必要があります
④ケア用品代:オルソケラトロジーはレンズを借りていることになるので、医師の指示に従い、指定のケア用品を使用する必要があります。
オルソケラトロジーのレンズの違いは?
ちなみに、日本の厚生労働省に認可を受けているレンズは3つですが、それぞれ価格にも影響する部分なので紹介します。
- オルソK (メニコン)
- マイエメラルド(テクノピア)
- ブレスオーコレクト(シード)
価格的にはオルソKが他の2つに比べて安価で、マイエメラルドとブレスオーコレクトはほぼ同じでした。
ただし、取り扱っている眼科によっても価格が異なりますのでご注意ください。
調べた限りはオルソKを採用している眼科はトータルコストも安価になる傾向がありました。
それぞれの眼科がどのレンズを取り扱っているかは、眼科のホームページで確認するか問い合わせて確認しましょう。複数のレンズを取り扱っている場合もありました。
価格以外の部分は素人なので、論じることはできませんが、我が家では色々と比較した結果、酸素透過係数の高い「マイエメラルド」か「ブレスオートコレクト」のいずれかで探しました。
以下、それぞれのレンズの特徴をCopilotに教えてもらったので掲載しておきます。
オルソ®-K(ORTHO®-K)
- 製造販売:アルファコーポレーション 日本で初めて厚生労働省認可を受けたオルソケラトロジーレンズ
- 酸素透過係数(Dk値)は裸眼と同程度の100以上
- -4.00D程度までの軽度~中等度の近視に対応
マイエメラルド
- 製造販売:テクノピア、Euclid Systems Corporation USA 米国FDAと厚生労働省の認可を受けたオルソケラトロジーレンズ酸素透過係数が高く、韓国・台湾・中国・ヨーロッパの医療器具認定機関においても認可を取得
- オルソ®-Kと同じく-4.00D程度までの軽度~中等度の近視に対応
東レ(TORAY)ブレスオーコレクト®
- 製造販売:ユニバーサルビュー 厚生労働省認可のオルソケラトロジーレンズ
- 日本人の角膜に合うよう設計されており、素材・生産ともに国産&国内工場で対応
- -8.00Dまでの強度近視と、その半分までの度数の乱視に対応
初期費用
前述の通り、初期費用の相場は「16万円(税込)」です。
初期費用は、下記の費用がパッケージになっている場合が多いです。
- 適用検査
- トライアル費用
- 初回レンズ費用
- 定期検診代(初年度分のところが多い)
眼科によっては、適用検査は別費用のところもありました。
定期検診代は1年間分込みというところが多かったですが、中には1か月のみ初期費用に含まれていて、2か月目以降は別途必要というケースもありました。
ただし、重要なのは総額なので、1年目に総額どれくらい必要になるかをチェックするようにしましょう。
適用検査費用
適用検査費用は、数千円〜1万円前後のところが多かったですが、保険診療の範囲内でやってくれるところもありました。
トライアル費用
トライアル費用の位置付けは、トライアルレンズの保証金のような形になります。
トライアル費用は、1週間のトライアル期間中のトライアルレンズのレンズ預かり代金として、初期費用の一部をお支払いします。(例:5万円など)
トライアル期間終了後には、トライアル費用を差し引いて、残りの初期費用分を支払うことになります。
また、この時点でオルソケラトロジーを辞める場合は、トライアル費用の一部が返ってくることもあります。(全額は返ってこないことがほとんです。)
初回レンズ費用
トライアルが終わると、実際のレンズを購入することになりますが、このタイミングでトライアル費用分を除いた、残りの代金を支払うことになります。
定期検診代
定期検診は、装着開始の翌日 → 1週間後 → 2週間後 → 1か月後 → 3か月後 といった形で定期的に実施する必要があります。
初期費用には、1年分の定期検診代が含まれていることが多いですが、1か月分のところもありました。
定期検診費用
初期費用に含まれている定期検診期間が終わったとは、3か月に一回の定期検診を受ける必要があります。
検診費用はピンキリで、高いところで1回5,500円、安いところでは550円というところがありました。
550円のところは、間違いじゃないかと思いましたが、確認したところ、間違いではなかったです(笑)
年間費用の平均を取ると1.5万円程度で、高いところで2.2万円でした。
ただし、この定期検診費用にコンタクトケア用品が付いてくるケースもあるようなので、価格だけではなく、詳細も確認した方が良いかもしれません。
レンズ交換代
次に、オルソケラトロジーのレンズの寿命は2〜3年となっています。
レンズの交換のタイミングは医師の指示に従って実施することになっているため、自分達がまだ使えると思ったとしても、交換する必要があります。
ランニングコストを考える上で、このレンズ交換代もバカにならないのできちんと確認するようにしましょう。
レンズ交換費用は、片目33,000円〜44,000円がほとんどでした。
両目で66,000円〜88,000円になるので馬鹿にならない費用になります。
メーカー別では、オルソKが安い傾向にあり、マイエメラルドとブレスオーコレクトは高いことが多かったです。
逆にいうと、マイエメラルドやブレスオーコレクトの交換費用が片目33,000円のところは、交換費用については良心的な眼科医と言えます。
ケア用品代
ケア用品は、指定のケア用品を使用することになります。
基本的にはハードコンタクトレンズのケア用品になりますが、お医者さんから指定されたのは「オフテクス クリアデュー O2」という錠剤の洗浄剤でした。
Amazonで価格を確認すると3か月分で2,200円前後でした。
眼科によっては、こういったケア用品が定期検診費用に込みになっている病院もありました。
紛失・破損時の補償
他に気を付けておかないといけない点としては、レンズを紛失した場合や破損時の補償です。
紛失については、基本的には全額負担になるところが多かったですが、破損については、レンズの半分以上が残っていたり、シリアル番号がわかる状態であれば、半年や一年間の期間限定で一部費用を補償してくるといった眼科もありました。
お子さんのオルソケラトロジーを検討している方も多いかと思いますので、破損時の補償は考慮しておいた方がいいかもしれません。
費用相場の調査結果(1年目、2年目、3年目)
実際に、眼科を選定するにあたって、近所の眼科を調べました。
調べ方は、ネットで調べて、ある程度情報が掲載されていた眼科を中心に、不明点がある場合は、電話で問い合わせを行いました。
レンズの交換は3年目に実施することとして、費用計上しています。
眼科 | 種類 | 初年度 | 2年目以降 | レンズ交換(1枚) | 2年合計 | 3年合計 |
A眼科 | ブレスオーコレクト | ¥176,000 | ¥22,000 | ¥33,000 | ¥198,000 | ¥286,000 |
B眼科 | マイエメラルド | ¥189,200 |
¥13,200 | ¥44,000 | ¥202,400 | ¥303,600 |
C眼科 | 不明 | ¥176,000 | ¥22,000 | ¥38,500 | ¥198,000 | ¥297,000 |
D眼科 | ブレスオーコレクト | ¥165,000 | ¥22,000 | ¥44,000 | ¥187,000 | ¥297,000 |
E眼科 |
マイエメラルド | ¥160,600 | ¥16,500 | ¥44,000 | ¥177,100 | ¥281,600 |
F眼科 | メニコンK | ¥139,700 | ¥17,600 | ¥33,000 | ¥157,300 | ¥240,900 |
G眼科 | マイエメラルド | ¥145,200 | ¥2,200 | ¥33,000 | ¥147,400 |
¥215,600 |
ちなみに、上記の表には実際に検討した眼科だけを残しているので、比較的安価なところだけが残っている形になります。
どうやって価格を調べるのか?
基本的にはネットで検索して価格を収集しました。
例えば「オルソケラトロジー <地域名>」といった感じで検索しました。
あとは、希望のレンズがある場合は、メーカーのページから取扱医療機関から探すといった方法も有効でした。
全ての眼科がホームページ上で価格を公開しているわけではないですが、自由診療ということもあり、オルソケラトロジーに力を入れている眼科はWeb上で価格を調べることができました。
あとは、ある程度絞り込んだ上で、不明点は電話で確認するようにしました。
オルソケラトロジーの費用まとめ
再掲になりますが、オルソケラトロジーの必要費用の目安は下記の通りです。
- 1年目:16万円前後
- 2年目以降の定期検診代:1.5万円〜2.2万円
- 2年又は3年ごとのレンズ交換代:6.6万円〜8.8万円
初期費用が安いに越したことはないですが、ランニングコストとして、定期検診代やレンズ交換費用も確認した上で、比較検討するのが良いかと思います。
今回は紹介していませんが、サブスクモデルの眼科の場合は確実にこの価格より高くなります。
ただし、おそらく紛失や破損時の補償が充実しているかと思いますので、その辺りはどこを重視するかが大切かと思います。
また、長い付き合いになるため、費用面だけでなくお医者さんの対応なども大切になってきますので、ご自身に合った眼科を選ぶことをオススメします。
費用的にはソフトコンタクトをつけるより安いとか言っているサイトもありますが、トータルで考えると、レンズ交換費用が一定期間でやってくることを考えれば、ソフトコンタクトの方が安くすむと思います。
例えば、 2 weekのソフトコンタクトの方が圧倒的に安くなります。
そのため、コスパという点では絶対にお勧めはできませんが、我が家は近視の進行の抑制効果がある可能性があるという点を重視して、オルソケラトロジーを試してみました。(この点もあくまで可能性がある程度と認識しています。)
オルソケラトロジーを始めた翌日に子供からきたLineを見て、やってよかったなと思いました(笑)
オルソケラトロジー装着初日の朝の子供からのLINE👀
— やまと丸 (@lehman_miler) May 31, 2024
目が見えると喜んで速攻ゲームを始めたらしい😅 pic.twitter.com/c3aoF95fmZ
オルソケラトロジーのリスク
最後に今回紹介したオルソケラトロジーにもリスクは存在するので紹介しておきます。
以下に主なものを挙げます
- 充血や炎症、アレルギー:オルソケラトロジーはレンズが眼に直接接触するため、充血や炎症、アレルギーなど通常のハードコンタクトと同じようなリスクがあります。
- 角膜感染症:レンズケアを怠り、レンズやケースが清潔に保たれていないと、角膜感染症を引き起こす可能性があります。特に重篤な感染症が緑膿菌やアカントアメーバによる感染です。
- 視力安定までの時間:オルソケラトロジー治療を開始した直後は視力が安定しづらく、日によってよく見えたり見えなかったりということもあります。
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